はじまり
現代の昆布巻は「にしん」「鮭」「たらこ」等、
様々な具材を入れて巻き込まれています。
しかし生鮮品の流通が発達し始める近年に至るまで、
具材なしで昆布単体を「干瓢」、
もしくは「い草」で結び留めた物が中心でした。
中島物産では1860年の創業当時から、
現在の大阪府大阪市中央区上町で生まれ、
地元で愛されていた
青刻(あおきざみ)昆布を生産していました。
これは細く刻んだ後に、一度煮込んで味付けし、乾燥させた物を指します。ご家庭ではこれを鍋で水煮して食す、言わばインスタント昆布煮として普及していましたが、この技術を昆布巻に転用し、早煮昆布巻として「ゑびす巻」「ホンポロ巻」「だんらん巻」を開発したのが、私たちの昆布巻製造の始まりです。
現在、私たちの製造している昆布巻は、にしんのみとなっていますが、脂の乗り具合や風味のバランスから昆布との相性がベストと考えてのものです。
このにしん昆布巻の歴史は諸説ありますが、江戸後期の北前船によってもたらされた蝦夷(北海道)の産物は「昆布」「身欠(乾燥)きにしん」「新巻鮭」「棒鱈」等、単体の一次加工が多く、 これらの集積地である関西圏でそれぞれを組み合わせ、発案されたものと考えています。
これら代々受け継いできた歴史が、私たち中島物産の生産する、「にしん昆布巻き 二本締め」や「長寿巻」などの商品に繋がっています。これからも革新と伝統の調和を守り、皆さまのご家庭に古くから続く伝統の味をお届けしていきます